ブリティッシュパブThe Old Arrowのパブリカン日報

2017年に西荻窪に誕生した、ローカル マイクロ ブリティッシュ パブ「オールドアロウ」パブリカンのブログです。

ウクライナやポーランドの美味しいお酒「ナレフカ」

まだ知られていない魅惑のお酒

ウクライナポーランドには昔から飲まれている「ナレフカ=Nalewka」という美味しいお酒があります。

ブリティッシュ パブであるオールドアロウでは、何故かこのナレフカが提供されています。

 

ナレフカは基本的にベリー系やチェリー系の果実をウォッカスピリタスに漬けて熟成させたお酒で、日本の梅酒に近いものがあります。

 

甘く、香り豊かで、カ〜ッ!と来るものもあれば滑らかで飲みやすのもありました。

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2020年から仕込む度に少しずつバージョンアップしているオールドアロウのナレフカ

 

ウクライナポーランドで入ったバーにはだいたいこのナレフカがあり、ナレフカ専門店やチェリーナレフカだけを提供するオシャレなスタンディングパブもあって、若い人たちにも大人気でした。

ウォッカってロシアのお酒でしょ?」と皆さん言われますが、実はポーランド生まれのお酒なんです (ただしこれは両者の主張が一歩も譲らないので決着がついてません) 。

 

日本でナレフカが飲める酒場

多分まだ無いとおもいます。

ミードの提供を始めた当時もそうだったんですが、現時点では何と言っても知名度が低すぎ、お酒の仕事をしている人すらも知らないマニアックなお酒ということで、皆さん一様に「これはどうやって飲むものなんですか?どこのお酒なんですか?」、、、という感じです。

 

だからこそ「提供してみたい!知ってもらいたい!」という気持ちも強く湧いて来ます。

 

支配人がウクライナポーランドの旅をした時に出会ったこのナレフカがあまりにも美味しく気に入ってしまったので、バーやレストランに入る度に飲んでいました。

旅をしながら「自分の店でもあんな感じで提供できたら、、、」とか、「ナレフカ専門の立ち飲みパブもやりたいな〜」などと妄想が膨らませていましたが、向こうで買ったナレフカたちはレシートを捨ててしまったがために乗り換え空港で没収され、残念ながら日本には持ち帰れませんでした。

 

なので向こうで飲んだ味と香りの記憶だけを頼りに試行錯誤して自分で作り、2020年初頭からオールドアロウで提供を始める様になりました。

 

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仕込み中のサワーチェリーナレフカ、大量の果実を使う贅沢なお酒

 

 

しかし折悪しくCOVID-19が猛威を奮い、自粛・時短要請などによりお酒自体の提供が制限されてしまいました。

 

そんな中でも来店してくれるお客さんが物珍しさで注文してくれては「これは美味しい!」と確実にコアなファンを獲得していきました。

自粛・休業要請の初期に、飲食店でお酒の持ち帰りが出来るという特例措置「期限付酒類小売免許」が公布された時は、あのナレフカを持ち帰りたい!と言って来てくれるファンの方もいたほど。

 

幾つかのバッチを経て味が固まってきたのて、スポット商品的扱いだったナレフカをこの度のメニュー改定に伴いレギュラーに昇格させました!

提供価格の割にコストが高く、仕込むのにも時間がかかるのですが、今のところは情熱で何とかしのいでおります(笑)。

 

追憶のウクライナ

2022年現在、ロシアの侵攻により戦火に包まれているウクライナ

まさかこんなことになるとは、残念で仕方なく、悲しい気持ちで一杯です。

 

先日たまたまテレビをつけたらニュース番組が映り、銀座のレストランをインタビューしている図がありました。

「このお店では今月いっぱいウクライナ料理のボルシチを提供して売り上げの一部を寄付金に」とか言ってました。

考え方はひとそれぞれなので何をやろうと勝手ですが、支配人はこの状況で人の悲劇を客寄せに使う行為には全く共感しません。

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寒い中ひたすら歩き回ったキエフの街

 

オールドアロウのナレフカは戦争と何の関係もなく、戦争が始まる前から提供されていたものですので、当店でナレフカを飲んで頂いても1円も寄付されませんが、ナレフカを知ってもらいたいのと、ウクライナポーランドに興味を持ってもらいたいという気持ちは戦争が始まってからも、その前からも、何の変化もなく一徹です。

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キエフ(キーウ)中央駅へ続く大通り

 

何か力になりたいとお考えの方はカウンターにひっそり募金ジョッキを置いておりますので、そちらへどうぞ。

特に何の告知もせずカウンターに置いておいただけなんですが、2022年3月の1ヶ月間で14,785円が集まりました。

 

お預かりしたお金は支配人が飲み代に使いたい気持ちをグッと堪え、責任持って全額ウクライナ大使館に振り込みを致しましす。

なお大使館への募金は武器には使用されず、人道支援やインフラ整備にのみ使用されるとのことです。

 

ウクライナのチェリーナレフカ専門店

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在りし日のウクライナのチェリーナレフカ専門パブ

 

話はそれましたが、何と言っても感銘を受けたのはウクライナのチェリーナレフカ専門パブ。

赤と黒を基調にした、レトロアメリカン調の小さな店内にはナレフカが所狭しと並び、オールスタンディングの店内からお客さんが外にまではみ出して、寒い小雪の降る中誰もが足高グラスを片手に立ち飲みしている。

提供する商品はチェリーのナレフカのみ。

 

旅する支配人にはとてもスタイリッシュでカッコよく映りました。

注文するとバーに並々注がれたナレフカが置かれ、

ウォッカに漬かったチェリーは要るか?」と聞かれます。

欲しいというと

「グラスを持たず顔を出してこれをひとくち飲んで!」と言われ、

溢れた日本酒のグラスに口をつける様にひとくち飲むと、

「強いから気をつけてね」と言われてそのグラスにチェリーをいくつか入れてくれました。

 

若者中心的絶対的な人気がある様で、キエフ(キーウ) だけでなくリヴィウ (ルヴフ) にもありました。

さらに国境を越えて行った先のポーランドの都市にもいくつも支店があり、人気のほどが伺えました。

 

行く先々で若者がこの赤い酒を手に、店の外にはみ出して談笑している姿はイギリスやアイルランドのパブに通ずる光景で親近感が湧きました。

 

バーやレストランでごく日常的に提供されているナレフカ

フラッと入ってみたバーでもウォッカリストにストロベリーウォッカラズベリーウォッカなどがあり、キウイのウォッカなんてのもありました。

飲んだ感じは、つまりナレフカでした。

大体はキリッと冷えた少し大きめのショットグラスで提供されてました。

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可愛らしいウクライナの伝統的な家屋をイメージしたレストラン

 

キエフで入った可愛い伝統料理のレストランで「伝統的なスタイルのフレーバーウォッカです」と言って薦められたものもおそらくナレフカでした。

二種類飲みましたがどちらも、多分何種類かの果実やハーブを漬けてる様な感じで、とても美味しかったのですが、味が複雑すぎて何を漬け込んでいるのかさっぱり分かりませんでした。

 

ポーランドクラクフには有名なナレフカ専門バーがあったのですが、混んでて入れなかったのが悔やまれます。

 

ナレフカはどこのお店も基本ホームメイドです。

もちろんオールドアロウのナレフカもホームメイド。

お立ち寄りの際は是非一度お試しください。

スタイリッシュに立ち飲みでやるのがお勧めです!

 

※ 2024年現在店頭での提供は終了しています。

 

--- British Pub 'The Old Arrow' Tavern Since 2017 ---

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