ブリティッシュパブThe Old Arrowのパブリカン日報

2017年に西荻窪に誕生した、ローカル マイクロ ブリティッシュ パブ「オールドアロウ」パブリカンのブログです。

本当にマズいの?イギリス料理:「コロネイション チキン」

大手ファミリーレストランの期間限定英国フェアで日本でも徐々に知られる様になったイギリス料理のひとつ「コロネーションチキン」。

 

簡単にいうと「鶏肉にマヨネーズとカレーのソースをあえたもの」です。

 

イギリスではサンドウィッチになってそこらへんで売ってる実にポピュラーな食べ物ですが、オールドアロウに来るイギリス人もその発祥について知らない、、、正しくは「気にした事もなかった」ぐらい当たり前にそこらへんにある料理です。

日本人が「とんかつ」の起源について誰も何も気にしていない様な感じでしょうか(パン粉で揚げるヨーロッパの「カットレット」という料理が日本に来てカツレツになりました)。

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さてコロネイションチキンですが、マヨネーズとカレーのソースをあえるだけだといえばあまりにも単純に聞こえますが、結構奥深い味です。
当店ではリリース以降徐々に人気が出てきて2024年のメニュー切り替え以降常設メニュー入りし、さらに人気になってます。

 

1953年のエリザベス女王(エリザベス2世)戴冠式の際、晩餐会で提供されたのがこの料理の始まりですが、実は1935年ジョージ5世のシルバージュビリー(25周年)の記念日に作られた「ジュビリーチキン」というものがカレーとマヨネーズでチキンをあえた料理だったので、この手の料理の起源は少なくとも1935年以前までさかのぼる事ができ、90年間もイギリスで愛されている味なのです。

 

玉ねぎ炒めてトマトと煮込んでクミン、コリアンダーナツメグ、カルダモン、シナモンなどのスパイス、生姜、ニンニク、ヨーグルトなど加えます。

作るのはほぼカレーですね。

 

「なんでイギリス料理でカレーなの?」

と思う方も多いかと思いますが、インドはイギリス紅茶文化の生命線。
長らくの植民地だった事もありイギリスに持ち帰られたカレーは「イギリス料理」と言っていいほどポピュラーなものになりました。

「チキンティッカ マサラ」というイギリス発祥のカレーが誕生するほど、イギリスとカレーは切っても切り離せないものになったのです。

 

英国海軍に倣う日本海軍がこの英国式カレーを海軍食として採用し、毎週金曜日の献立がカレーになっていました。

 

 

カレーの様なソースが煮詰まったら、ここにマヨネーズとローストアーモンドとドライアプリコットを加えます。

このソースで茹でた国産若鶏の胸肉をあえたら出来上がり。

 

複雑に作ればいくらでも手間かけられますが、家で簡単に作るならカレーパウダーとマヨネーズ混ぜてあえるだけでも十分に美味しいですよ!

 

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イギリスではよくサンドウィッチの具になったりサラダになって売られてますが、オールドアロウでは始めフラワートルティーヤに巻いてチキンラップにして「コロネイションチキン ラップ」として提供してました。

 

現在はコロネイションチキン単体も前菜として提供しています。

 

一見イギリスっぽくない料理ですが、実はとてもイギリスらしい料理。
特にチキンラップにするのがワタクシのお気に入りです。

 

 

本当に「イギリス料理はマズい」ですか?
何のイギリス料理を食べたことありますか?
みんな大好きサンドウィッチやローストビーフがイギリス料理だって忘れてませんか?
「本当はみんな知らない実は美味しいイギリス料理」がワタクシからの正解です。

 

--- British Pub 'The Old Arrow' Tavern Since 2017 ---

小さなイングリッシュ パブ (英国酒場)「オールドアロウ」

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